2012年 07月 17日
日本のパスポートを捨てよさらば仕事はあたえられん!
[パスポート] ブログ村キーワード
昨日の続きである。4ヶ月間待った末に息子に突きつけられた通告は「日本のパスポートを捨てよさらば仕事はあたえられん!」 だった。要するにセキュリティークリアランスの基本的な部分は問題がなかったが、日米両国のパスポートを所持しているのはイケナイよという訳だ。 二つの国のアイデンティティーを持っている者がアメリカ国家の機密情報を扱う仕事に携われるなんてなんだかどうも腑に落ちないところがあった私としては想定内の結果だった。
しかし、息子が会社から通告された言葉がどうも解せない。実際には“surrender your passport to the company” と言われたそうだが、”surrender”とはもともと「降参する」という意味である。“Surrender one’s passport”の意味を辞書で再確認したが、ただ、「パスポートを渡す」とあるだけだ。一体これは何を示唆しているのだろうか。日本国籍を捨てろという意味ではないと息子は言うのだが、例えば領事館にパスポートを”surrender”するというのはすなわち国籍を放棄する事と同じであるらしい。会社にパスポートを渡すとはどういう事か?最終的には会社から日本領事館にそのパスポートが持ち込まれ強制的に日本国籍を捨てさせられる結果となるのだろうか?
疑問は次から次へと湧いてくる中、ふと江戸時代の「踏み絵」を思い出した。「踏み絵」は、聖母マリアやキリスト像を掘った板を踏ませて教徒でない事を証明させた、いわば幕府のキリスト教禁止の手段であるが、息子のパスポートの一件だってよく似たものだと思う。結局会社としては日本のパスポートを放棄させることで日本に対する忠誠心を捨てアメリカ国民としてのアイデンティティーをはっきりと認識し、日本人としての「私」を殺し滅私奉公することを誓わせているのだろう。
しかしながら、「踏み絵」の場合はキリストが描かれた絵を目の前にしたキリスト教徒はそれぞれに深い心の葛藤があり苦しい思いをしているのに息子はすでに日本のパスポートを放棄するつもりでいる。もちろん彼としては一刻も早く今の宙ぶらりんの不安な状態から抜け出したい一心であるのは分かるのだが...親としての複雑な気持ちは広がるばかりである。
昨日の続きである。4ヶ月間待った末に息子に突きつけられた通告は「日本のパスポートを捨てよさらば仕事はあたえられん!」 だった。要するにセキュリティークリアランスの基本的な部分は問題がなかったが、日米両国のパスポートを所持しているのはイケナイよという訳だ。 二つの国のアイデンティティーを持っている者がアメリカ国家の機密情報を扱う仕事に携われるなんてなんだかどうも腑に落ちないところがあった私としては想定内の結果だった。
しかし、息子が会社から通告された言葉がどうも解せない。実際には“surrender your passport to the company” と言われたそうだが、”surrender”とはもともと「降参する」という意味である。“Surrender one’s passport”の意味を辞書で再確認したが、ただ、「パスポートを渡す」とあるだけだ。一体これは何を示唆しているのだろうか。日本国籍を捨てろという意味ではないと息子は言うのだが、例えば領事館にパスポートを”surrender”するというのはすなわち国籍を放棄する事と同じであるらしい。会社にパスポートを渡すとはどういう事か?最終的には会社から日本領事館にそのパスポートが持ち込まれ強制的に日本国籍を捨てさせられる結果となるのだろうか?
疑問は次から次へと湧いてくる中、ふと江戸時代の「踏み絵」を思い出した。「踏み絵」は、聖母マリアやキリスト像を掘った板を踏ませて教徒でない事を証明させた、いわば幕府のキリスト教禁止の手段であるが、息子のパスポートの一件だってよく似たものだと思う。結局会社としては日本のパスポートを放棄させることで日本に対する忠誠心を捨てアメリカ国民としてのアイデンティティーをはっきりと認識し、日本人としての「私」を殺し滅私奉公することを誓わせているのだろう。
しかしながら、「踏み絵」の場合はキリストが描かれた絵を目の前にしたキリスト教徒はそれぞれに深い心の葛藤があり苦しい思いをしているのに息子はすでに日本のパスポートを放棄するつもりでいる。もちろん彼としては一刻も早く今の宙ぶらりんの不安な状態から抜け出したい一心であるのは分かるのだが...親としての複雑な気持ちは広がるばかりである。
by osakanoobachan
| 2012-07-17 04:27
| アメリカ生活の一端を