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電車の中で化粧をする女性はこんなメッセージを送っている

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最近電車の中で化粧をする女性の数は少なくなったような気がするが、それでも一ヶ月日本にいる間に何度かは見かけた。

彼女たちを見るたびに、「他人の目宗教」はもう日本には存在しないのだろうかと疑問に思う。「他人の目宗教」というのは、すなわち、宗教的にいい加減な日本人が「他人からどう見られているか」を自分の行動を決める基準にしていることである。キリスト教文明の欧米なら人の行動の規範には宗教の戒律(≒神と言っていいか)がある。

またもう一つなぜだろうと思うのは、電車の中での化粧は、脳科学者の茂木健一郎が「化粧する脳」の中で言っている化粧についての主張と大きく異なるからである。茂木さんは、「鏡に映る自分を見つめ、化粧をしながら自分を形作っていくことは、他者の視点から自己を見つめることにつながり、ひいてはそのことが社会的知性を育む」と書いているが、電車の中で化粧をするという行為はすっぴんの状態から化粧をほどこしていく醜態をすべて公衆の面前にさらけ出している。と言うことはすなわち他者の視点からどのように見えるかと言うことを全く気にしていないということに他ならない。どうも彼女たちの電車化粧は謎である。

だが、 こんな私の“クエスチョンマーク”に一つ納得のいく答えが得られそうな本の紹介があった。「平然と車内で化粧する脳」という澤口俊之北海道大学医学研究科教授と作家の南伸坊氏共著対談集である。読んでもいないのに引用するのは恐縮だが、以下はhttp://www.city.inagi.tokyo.jp/shichoushitsu/jidaienoshiten/16nen/no139/index.htmlのまとめである。

脳科学の研究によると、われわれ黄色人種の脳の構造は、母性と父性に見守られ多様な人間関係に囲まれた集団の中で常識を学び成長するように出来ているのだそうだ。白色人種の脳はまた違っているらしい。しかし、戦後日本は、もともとの黄色人種の脳の構造とは相容れないにもかかわらず、核家族化や個室化を始めとする欧米の生活様式をモデルとしてきた。その結果、脳の前頭連合野が発達しなくなり、自分の内と外を区別する脳の発達が遅れ、車内で化粧しても何とも思わない人間が生まれてきたのだと言う。

だから、澤口さんと南伸坊さんの話に基づけば、つまるところ電車の中で化粧している彼女たちは、「小学生ぐらいで個室を与えられ、集団で行動することも余りなかったし、家庭、学校、地域社会からも“集団”としてどう振舞えばよいかも教えてもらうことがなかったのです。だから、何が恥ずべきことなのかわからないのです」というメッセージを送っているということになるんじゃないか?! 一度この対談集を読んでみよう。
by osakanoobachan | 2011-01-19 11:36

生活の本拠地をアメリカに大阪と行き来しながら早20余年。とはいえ日米国の隔てなく世事への好奇心は増すばかりの毎日。健康、美容、食べる事から外交、教育などなど、気の向くままに綴っています。


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